開発 / 販売 | silver978 / IndieArk・Flynn’s Arcade |
対応機種 | Nintendo Switch・PC |
ジャンル | アドベンチャー |
ストレスに追い込まれた少女のある日の話『上に天井がある。(Looking Up I See Only A Ceiling)』のレビューです
勉強に追い込まれ強いストレスによるうつ状態をテーマにされた作品。
テーマとしては誰にでも起こりうる普遍的なものとも言えますね。
精神的に追い込まれているときの認識の歪みを秀逸に表現されていてある種の芸術鑑賞のような体験ができます。
全体のボリュームは1時間もあれば遊び尽くせてしまうコンパクトな作品となっています。
その分価格もお手頃な設定となっています。
少しデリケートなテーマを扱った本作に、興味をもった際はプレイされてみてはいかがでしょうか。
ゲーム内容はクリック&アドベンチャーゲームです。
ゲーム性は至ってシンプルで、自宅の様々な場所を探索しながら調べていくことで物語が進行していきます。
謎解き要素といったものもないに等しいため、プレイしていて小説を読んでいるような感覚でしたね。
ときには調べ方によって展開に変化があったりします。
また状況ごとに細かくテキストが変化しますので全部見ておきたい派の方は要チェックです。
後でチャプターごとに途中から再開して遊べるので気楽に進められるが快適でグッドですね。
また本編クリア後に後日談的なお話も追加されるのですが、それもやった上でこのゲームが完成すると言えるので必ずそこまでプレイして欲しいです!
そこまで遊んでこそ、この作品のメッセージを感じられると思います。
ある日ベッドから目覚める主人公。今日もいつも通りの一日がはじまる…はずが様子がおかしい。
段々と異変が広がっていく部屋から抜け出そうと少女は奮闘することとなります。
いつもの風景がいつもとは違って見えてしまう心理描写をゲームでこの作品なりで表現されています。
いつもの景色がいつもと違って見えて歪んでいく過程が、不安や危機感を誘ってくる表現がよく感じられます。
心が苦しいとき、自分の思考がフワフワして視界が薄暗く感じる。そんな経験をされた人も少なくないでしょう。
精神的に追い込まれているときに感じる自分の世界の歪み。その空気観の描写が独特な魅力を放っていました。
ひと通りクリアまでは1時間もあれば、本編とおまけまで遊び尽くせちゃうと思います。
低価格とはいえボリュームはかなり短めですね。
興味本位でに触れてみるぐらいの感覚で遊べれば損はしない内容かなと思います。
この作品自体は強いストレスによるうつをテーマに表現がされていますが、物語はポジティブな部分についても語られています。
そのため、強いネガティブな表現に心配することはあまりないと思いますが、プレイされる際はしっかりご自身に目を向けられる状態のときにプレイしましょう。
誰もが経験しうる精神的な部分をテーマにゲームとして表現した本作。
プレイしていて共感かどうか分かりませんが、つらいときに感じる視界の薄暗さや歪んでしまう思考がうつ状態の人間をよく表しているなぁ感じました。
でもこの作品はそんな状態から抜け出して、自分の世界を見つめ直すことの大切がメッセージとあると感じました。
シビアな作品のようで、本当は優しく応援してくれるゲームなんだなと思いました。
- 短く遊べるアドベンチャーゲームをしたいひと!
- 独特なテーマを扱ったゲームに触れたいひと!