【GOODBYE WORLD】評価・レビュー 夢を目指したことの美しさと残酷さが織りなす、二人が作り出す人生ドラマ

開発 / 販売YO FUJII / フライハイワークス
対応機種NintendoSwitch・PS・PC
ジャンルナラティブアドベンチャー

二人の若きゲームクリエイターの物語を描くナラティブアドベンチャー『GOODBY WORLD(グッドバイワールド)』のレビューです。

ものづくりの苦悩や難しさが描かれており、大半が胸がキュウとなるお話が続きます。

さらに物語の進行に合わせてゲーム内ゲームを行ったり来たりするパートが登場します。

これも色々と…苦しい…!

そんなプレイヤーにまで侵食する苦しさがあるどんでん返しに変化する。

様々なメッセージ性を感じる挑戦的で面白いゲームになっていました。

専門学校で出会った二人による苦悩と友情物語

プログラマーの蟹井(かにい)とグラフィッカーの熊手(くまで)は、専門学校時代に出会った。
卒業後、インディーゲームを作るため、就職をしない道を選んだ二人だったが、待っていたのは厳しい現実だった。
ゲームは売れず、バイトの勤務時間ばかりが増えていく…
もっと売れるゲームを作らなければと焦る蟹井に対し、熊手はある決断を下す    

(公式あらすじから引用)

専門学校時代に出会った二人のクリエイターが主人公として展開していくストーリー。

GBA風なドット絵が特徴的で可愛らしい雰囲気を出してはいますが、内容は結構可愛くありません。

希望に満ち溢れた新たな旅路からだんだん立ちはだかる現実という無慈悲は壁…

二人一緒に歩んでいた道も、気づけば向いている方向が変わっていきます。

少しづつすれ違っていく二人。それでも人生は続いていく…。

「あぁ~苦しいなぁ~」ってなります。ゲーム遊んでるに現実が侵食してくる…!

こんな感じでどんよりと酸素薄いようなお話が続きます。

そんな中で二人はどんな道を選んでいくのか。迎える結末はいかに…。

ゲームならではを上手く使ったシナリオ構成

ゲームはとしてはプレイヤーの選択でストーリーが変わったりることはなく一本道になってます。

アドベンチャーというよりノベルゲームを遊んでいるような感じでした。

映画を見るような感覚でプレイしていけます。

その中で、合間合間に挟まるゲームボーイ風なゲーム内ゲームが遊ぶことになります。

このゲームがなかなか曲者で…良くも悪くも昔のマイナーゲームって感じで…

むしろ悪いほうが濃い目の仕上がりなゲームなんです。

ゲーム本筋を遊んでいてストーリーの合間に強制的に遊ぶこととなります。

わざわざどうして今の時代にこんなゲームを…

一見苦行を強いられていると思ってしまうところですが、ところがどっこい。これがいい味を出してくるんです。

最初に言ったように基本的に一本道でプレイヤーの選択で物語が変わっていくことはありません。

ですが、ゲームを最後まで遊び終えるころにはこの作品がゲームである価値が感じられます。

ゲームという媒体ならでは上手く使ったメタ的な表現がストーリーの深みが増していて面白かったです。

良かったところ&気になったところ

良かったところ

ドット好きは嬉しい素敵グラフィック

柔らかみのある可愛いドットはとても良いですね

GBAのころのドットの感じが好きな人刺さるんじゃないかなと思います。

二人の空気感が伝わる表現がグッド

ドット絵で描かれる動きから、会話の間の使い方などで今の空気感が伝わってくる感じがして良かったです。

ゲームならでは上手く使った味付けも良かった

ゲーム内ゲームの存在やドットがキレイで魅力的なのも、意味が含まれているのでは?と考察したくなる作りになっているが秀逸に思えます。

気になったところ

ボリュームが少なめ

クリアまでの時間がだいたい2時間弱と短めです。

分岐があるゲームでもないので一回遊んだら完結するゲームだと言うことは理解しておいたほうがいいですね。

ゲーム内ゲームが少し面倒…

さっきと言ってること破綻しているのでは…?と言われたら…はい…

ストーリーの深みを出しているとは思っているのですが、ゲーム内容がなかなかに苦しい…

私自身ゲームボーイとかの昔のゲームに触れていた人間とはいえ最近にゲームに慣れているので少し面倒だと感じてしまったのは事実。

任意ですぐやめられるとはいえストーリーの途中に強制的に始まるので避けられませんからね…

うーん…ここは良い悪いは言えない部分なんですよねぇ

とまぁ面倒だと思ったらすぐに終わらせることも可能なので、言いたいことはエンディングまではちゃんとプレイしてね!ということです!

ストーリー展開が人を選ぶ可能性あり

このストーリーをエンディングまで遊んだうえではっきりとはしないままで終わる部分があり、ここらへんの後味はもしかしたら人を選ぶんじゃないかと思いましたね。どうゆうことだったのかをはっきりと描いてくれないともやもやするタイプの人は不完全燃焼に感じる可能性はあります。

ですが、全体としてきれいなまとまった結末ではあると思うので好みの話かなぁとは思います。

まとめ

インディーゲームでインディーゲームクリエイターのストーリーを描かれた独特な世界が作られた本作。

物語への没入感もありながら、皮肉のような、メタフィクションを感じるシナリオ構成がなんとも言えなく。

それでいて気づけば沁み込むように印象に残るゲームになっていた…

人によって色んな感想が生まれる面白いゲームだったと思います。

こんな人にオススメ!
  • 映画を見てるようなゲームをしたい方
  • じんわりと空気感が伝わるヒューマンドラマが好きなひと
  • 少しだけ、明るい夢を見たことがあるひと

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