メーカー / 開発元 | アークシステムワークス / White Owls |
対応機種 | Nintendoswitch・PS4・Xbox・PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
アクションアドベンチャー『The MISSING -J.J.マクフィールドと追憶島-』のレビューになります。
ここではplaystation4版でのプレイレビューとなります。
まず最初に気になるのが大胆に描かれたグロテスクな描写の数々でしょう…!
プレイしていて痛々しいと感じる過剰とも言えるグロテスクな表現でこの時点でかなり人を選ぶ内容だと思います。
そういうグロさが売りの作品なの…?って思いますよね。
ところがどっこい、本作の結末は予想だにしなかった展開を見せていきます。
最初は「グロテスク部分が売りのゲームなのかなぁ…」と思いながら怖いもの見たさに遊んでみたのですが…
実際に蓋を開けてみれば思いもしなかったプレイした気持ちとストーリーがリンクする衝撃的なゲーム体験が待っていました。
最初はこんなにも心揺さぶられる作品だと思っておらず、かなり強く印象深い作品だったと感じます。
親友を見つけ出すため命をかけて追憶島の奥へ
忽然と姿を消した親友を探す為、奇妙な島「追憶島」を進む少女“J.J.マクフィールド”。
その島は重傷を負い、不自由な身体になっても死ぬことができない悪夢のような場所だった。
何度も死の淵から蘇る少女は、バラバラになった身体を引きずり、苦痛にもがき、苦しみながらも島の奥地を目指す。
手足が引き千切れ、首の骨が折れ、大火傷を負いながら……
全ては行方不明になった親友を見つけ出す為、
たとえ身体が両断されようとも何度でも蘇り、自らの身体、命を犠牲にしながら前へと進む。
なぜ親友はいなくなったのか、この世界の違和感は何なのか、ゲームをクリアした時全ての謎が解ける。
(※公式サイト紹介文から)
ゲームは主人公「J.J」は親友「エミリー」と「追憶島」という場所に訪れてたところから始まります
幸せそうな二人のムービーから突然、親友エミリーが姿を消してしまいます。
エミリーを見つけ出すために島を進むこととなるJ.J.ですが…
紹介文にも書かれているどうり過激な試練が立ちはだかります。
プレイしていても痛々しく辛く感じる過激な描写が多くありますが、この過激な表現がストーリーに意味が生まれます。
追憶島での謎めいた過酷な旅路の先に待っている結末は、プレイ前には予想だにしなかったものでした。
このゲームで味わったこの感覚は忘れずにいたい、と思わせてくれます。
人選ぶ作品であることに間違いないですが、ぜひ最後まで遊んでほしい!と言いたいゲームです。
知恵と“身体”を使う特徴的な過激な謎解きアクション
本作はボロボロな身体が蘇る世界を進む2Dアクションアドベンチャー。
アクションとはいえ謎解きパズル的な要素が主で難しいアクションは求められません。
様々な場面で行く手を阻む仕掛けがある道中を本作独特なシステムを使って進んでいきます。
たとえば細い路地があります。J.J.に小さな姿に変身する能力はありません。どうすればいいでしょう…?
なんとその“身”を使うのです。
小さな姿に変身するではなく、頭だけとなりコロコロ転がりながら進みます。
重しが必要なら身体を使い、火を灯す松明がなければ身体を燃やして灯します。
なんとも過激な突破方法…!しかしながらこの画期的なシステムが面白いんです。
「頭だけになれば進めそうだ」とか、「ここはまず骨折してこう進んで…」とかプレイヤーはとんでもないことを考えながら攻略していきます。
初見時はやはり痛々しい描写とJ.J.の苦しそうな悲鳴がなかなかにキツい…!(ゲームなので段々耐性がついてきますが…)
“欠損状態”と“欠損回復”を上手く使いこなしてその身を利用し仕掛けを乗り越えていきます。
難易度的には難し過ぎるポイントなどはなく数回試行していれば突破できるくらいのバランスです。
チェックポイントもそこそこ短い間隔で用意されているのでミスして最初からやり直しみたいなストレスもなく遊べます。
ただアクションというにはモーションがもっさりしてる点や、一部トラップの演出の長さなどで若干ダレてしまうところがあるのは少し気になりました。
そのストレスもいい味になると言えるご意見をあるのでゆったりとプレイしていきましょう。
痛々しい表現に込められたストーリーとのリンク
本作の最大の特徴となる遊ぶ上で度々目にするオーバーなほどの過激な表現。
ゲームを進める上で必ず避けて通れないところです。
四肢切断に悲痛な叫びは思わず顔をゆがめてしまう描写が続き、かなり辛い気持ちになります。
ですが、このプレイ体験が後に大きな意味あることが分かっていくのです
ゲームを進めることで少しずつ感じる違和感。そして、その答えが分かっていくことでガラッと変わってくる視点に引き込まれてしまいました。
このゲーム体験とストーリーとがリンクしていく感覚を他にないものでしたね。
ぜひネタバレ無しで遊んでほしい展開が待っています。
プレイしながら感じた心情を忘れずにエンディングまで見届けてほしいと思います。
ボリューム、収集要素について
エンディングまでのプレイ時間は大体6~7時間ほどでした。手軽に始めれるボリューム感ですね。
なお収集要素として途中「ドーナツ」が各地に点在しています。
ドーナツを集めるJ.J.の知人とのメッセージのやり取りや、「ギャラリー」を見ることができます。
やりとりの内容がなんともリアリティがあるというか。大学生らしい等身大な一面を見ることができます。
友人らとの会話はコミカルなものが多く、ゲームとのギャップもあり非常に楽しめました。
J.J.がどんな人物なのかが感じられるためストーリーをさらに楽しむ上でもぜひ集めていきたいものとなっています。
また同時にギャラリーも追加されていきます。
こちらはゲームの設定資料などが見られるため好きな人には嬉しく大変興味深いものが見られますよ。
グロテスク苦手でも大丈夫…?人を選ぶポイントについて
本作は遊ぶにいたってに最初に懸念されるのがやはりグロテスクなところでしょう。
実際どれくらいの感じなのか…?
まず四肢切断に出血、骨折、身体の炎上などの描写が多く登場します。
そういった描写中はJ.J.は黒塗りのシルエットのようになったり、血は白くされていたりと直接的なグロさは抑えられています。
結構ダイナミックに身体吹き飛んだりとリアルな感じではないため、ある程度バイオレンス耐性がある方は大丈夫だと思います。
しかしながら、シルエットとはいえ内蔵のようなものが飛び出したり、J.J.のいかにも痛そうで苦しそうな声にやはり気持ちがキュっとなります…
さらに骨折のポキポキ折れる音に、切断中のクチュクチュとなる生々しい音は特にキツイですね…
全体的にわりと抑えられてはいますが、「グロいのは一瞬でも見るのがしんどい!」って方は厳しいかも…
人を選ぶポイントととしてストーリーも関わってきます。
本作のストーリーにはマイノリティのテーマを含まれています。
近年では尊重する考えが広がりつつありますが、理解することができない場合もあるでしょう。
そういった場合はゲームを楽しむことができないかもしれません。
本作のテーマに対するメッセージは「説教」的なものではなく、「肯定」「応援」的なものを感じました。
なかなか正面からデリケートな部分をテーマしているため、人それぞれの感じ方があるストーリーだと思います。
まとめ
過激な表現から生み出されるメッセージ性高い予想外に展開してゆくストーリー。
ゲームを遊ぶ前は怖いもの見たさでやってみたところがあったのですが、かなりいい意味で裏切られた作品です。
その身を犠牲にしながら攻略していくギミックたちもかなり奇抜で他にはなく、とても面白かったです。
本作の取り扱ったテーマからグロテスクなゲーム部分などとかなり人を選ぶ作品ではありますが、大きな印象を残すオンリーワンな体験をさせてくれた素晴らしい作品だったと思います。
- 短い時間で濃厚なゲーム体験をしたいひと!
- 過激で画期的な謎解きアクションを楽しみたいひと!
- 心に残るストーリーを楽しみたいひと!
ちなみにJ.J.はドーナツが好物で度々ドーナツの話題に現れるんです。
遊んだ後の無性に湧くドーナツ欲に注意ですよ…!
The MISSING -J.J.マクフィールドと追憶島- 公式サイト