【Milk inside a bag of milk… / Milk outside a bag of milk…】レビュー・評価 少女の思考のお友達になって何を感じるのか

開発 / 販売Nikita Kryukov / Forever Entertainment
対応機種Nintendo Switch ・ Steam
ジャンルビジュアルノベル

精神的疾患を持ったと思われる少女と一緒にお話をするADVゲーム『Milk inside a bag of milk… / Milk outside a bag of milk…』のレビューとなります。

なかなかに理解が困難な文言が飛び出してくる作品ですがそれが引き込まれ分からないけどもっと聞きたい、知りたいと思わせる魅力あるものでした。

ここではNintendoswitch版でのレビューになります。

switch版は発売当初は翻訳にトラブルがあると心配されていましたが現在では修正されています。ありがたいですね…!

今作は題材がデリケートでありハードな内容が含まれていたりとプレイする人を選ぶことは間違いないと思います。

ですが、この作品でしか味わえないオンリーワンな体験が楽しめる、または浸れると言える良い作品でした。

milk inside… / milk outside… の2作品がセットで遊べる1本

本作は、もとは別で販売されていた2つの作品がセットになっています。

『Milk inside a bag of milk…』は1作目で 『Milk outside a bag of milk…』はその続編といった感じです。

1本で続けて遊ぶことができるのは嬉しいです。

1作目と2作品目はシチュエーションは違えど、時系列としてはしっかり続いているので『Milk inside a bag of milk…』から遊ぶのがオススメですよ。

おまけにサウンドテストも搭載!作品の雰囲気を大いに引き立てる癖つよつよの音楽も単体で楽しめます。

『Milk inside』 牛乳を買いにいく少女のお話

二本立て作品の一作目にあたる『Milk inside a bag of milk…』

こちらはほぼビジュアルノベル系のゲームとなっています。

牛乳を買いに行く少女のイマジナリーフレンドとして買い物を共にするお話になります。

スーパーに牛乳買いに行く“だけ”と思うことなかれ、少女にとってそれはとても大変なことの様子です。

彼女の見る世界はなかなかに難しい世界になっていて理解が困難な視点が描かれています。

そんな少女の前途多難な買い物にイマジナリーフレンドとなって同行するお話。

会話するように選択肢が表示されますが、エンディング大きなは生じません。

最初は独特な言い回しに、少し荒っぽいドットの画面、奇妙な音楽とすごい空気感に圧倒されてしまいますよね…

しかしながら、しばらく進めていくにつれて、この雰囲気のクセになり虜になりました。

30分くらいでクリアまで行けるので牛乳を買いに行く少女のお話がどんな結末となるのか見届けて下さい。

描写が大きくパワーアップして変化した続編『Milk outside』

そして『Milk inside』の続編となる『Milk outside』です。

こちらはビジュアルノベル風だった前作とは異なりポイント&クリックアドベンチャー風となっています

「inside」の牛乳を買いに行く視点から次は少女の自室で彼女話し相手となってお話が進んでいきます。

頭から出た思考のホタル(そういうものなんです)を探すべく部屋の中を捜索するポイント&クリックアドベンチャーゲームが始まります

部屋に置かれた様々な物をクリックすることで、それぞれの少女のお話が聞けます。

そこからわかる少女の生活感や過去の出来事が読み解けていきます。

前作とは異なってはっきりと少女の姿が描写されていて作品の解像度が上がっております。

また「outside」ではマルチエンディング形式となっています。

会話中の選択肢や部屋の調べるものによって異なるエピソードが展開されます。なんとてんこ盛り!

初見からエンディングまで通して1時間もかからないかなぁ?といったボリューム感ですし、途中セーブもありますので全て見るのも苦ではありませんでしたね。

全体的に前作よりも描写量が大幅パワーアップしているのでさらなる独特で体験が出来ます。

プレイヤーは少女に何かしてあげることはない傍観者

このゲームは所々で選択肢が現れたりとシュミレーションゲームのような場面があります。

しかしながら、その選択は少女の頭の中の出来事でありプレイヤーという1人の人物が存在するわけではありません。

プレイヤーは少女の思考に同行するだけであり、大きく干渉することはできません。

時に辛辣な選択肢しか選べなかったり、この子をどうにかしてあげたい…!のような心理になりますが見守ることしか叶わないのです…。

ビジュアルノベルだと思い少女のイマジナリーフレンドになって見届けましょう。

そして、彼女の世界を体験し、作品に浸ることでそれ対して自分はどう感じているのか、俯瞰してみるのも面白いと思いますよ。

プレイは心にゆとりがあるときに!

本作は取り上げている題材がデリケートなものです。

作品全体を通して雰囲気が暗めで、心理的に重く息苦しいと感じる描写・内容が続きます。

作品の雰囲気に飲まれ、感化されて体調を悪くするなんてこともありえると感じます。

精神的に余裕があるときにプレイすることをオススメしたいと思います。

またレビューを書いておきながら変な話ですが、「なんかムリだ!」と感じたら無理しないことですよ!

まとめ

未知の思考とその視点が延々と書かれており、プレイしながらも私では本当の意味で理解することは難しいのだろうと感じる内容。

しかし、この行動・言動がどういうことなのかと思考して、理解できなくともそういう視点もあるのかとプレイして感じることの興味深さが面白みになっていました。

物語以外のグラフィックや音楽も非常に雰囲気を引き立てており、この独特な空気感に魅了され繰り返しプレイしたくなる不思議な感覚にさせられましたね…。

非常に人を選ぶ作風ですが、それだけオンリーワンな体験があり、記憶に残る作品でした。

こんな人にオススメ!
  • 独特な空気感のビジュアルノベルがしたい人!
  • 未知を覗いてみたい人!
  • 精神的に元気な人!

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